プリフォーム・コーティング・システム（PCS）

具体例

PETプリフォームとは、射出成型で作られる試験管型のプラスチック製品で、PETボトル生産の第一段階です。プリフォームとは一般的に、空ボトルの運送や保管費用を節約するために生産されます。ふくらませたボトルは、プリフォームに比べ相当広いスペースを取るからです。

剪断率特性が高いPET樹脂の使用に伴うハンドリングや生産上の課題に対し、プリフォームの外側に潤滑剤を塗布します。プリフォームコーティングシステム（PCS）とは、それぞれの業界をリードするBonito社、Chem-Trend、そしてSteidle社の密接なコラボレーションにより開発されました。このシステムは、射出成型工程直後にプリフォームを潤滑するよう設計されており、正確で精密に制御された被膜塗布を実現します。

この革新的なソリューションは、射出成型機とソフトドロップまたはオクタビンの充填装置の間に設置し、プリフォームがコンベヤ上にある時やブロー成型の直前にコーティング剤を塗布する他のシステムと比べ、相当なアドバンテージがあります。プリフォームがPCSの噴霧ゾーンに入ったら、プリフォームの本体のみに塗膜されます。プリフォームのネック部分に設計されたガード部によって、コーティング剤がプリフォームの中に入り汚染してしまう事はありません。このシステム自体が、世界最先端で最も効率的なコーティング剤であるChem-TrendのLusin® Lub O 32 Fを使用して設計・テストされており、あらゆるプリフォームに対して確実に均一な塗膜が実現できます。

これで何が解決できるか 

現在市場で確立されているコーティング剤の塗布方法はランダムに噴霧するというものであり、プリフォーム上の塗膜範囲が不十分でコーティング剤のムダが生じ、材料がプリフォームに入ってしまう事もあります。このような方法はいずれも非効率であり、プリフォームメーカー様や最終ユーザー様にもリスクが生じます。設計上、この「プリフォームコーティングシステム」であれば、このような主要な問題に対処でき、傷、目詰まりの低減、ボトルの輪郭の欠損防止や輸送費の削減に貢献することで、プリフォームメーカー様に更なる利益をもたらします。

もたらす影響

「プリフォームコーティングシステム」の開発により、Bonino、Chem-Trend、Steidleの各社は、典型的なプリフォームやブロー成型における問題を抑えると共に、経済的で作業面における利益をもたらすソリューションを生み出しました。この組み合わせによりプリフォームメーカー様は競争面で優位性を勝ち取ることができます。具体的なプラスの影響としては以下のようなものがあります。

•PCSセーフガードによりLusin® Lub O 32 F自体が他の材料と共にプリフォーム内へ混入する事を防ぎ、プリフォームメーカー様、最終ユーザー様のリスクを低減します。
•更に効率的な塗膜工程により、プリフォーム毎に使用されるコーティング剤の量を削減できます。
•均一な塗膜処理により傷の入ったプリフォームが減少し、その結果最終ユーザー様からのクレーム数が減少します。
•更に均一な塗膜処理により、出荷時のプリフォームの作業やポジショニングが改善します。
•プリフォームのポジショニングが改善し、出荷用コンテナー内のプリフォーム数が平均10〜15%増加する事で、出荷費用が削減できます。

「プリフォームコーティングシステム」についての詳細については、当社までお問い合わせ下さい。